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燃費の悪いカメラ |
NikonF5 NikonD1X |
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Nikon F5 |
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カメラに対して“燃費”という表現をすると“フィルムの消費”ということになる。但し、フィルムの消費は撮る側の意図による。このニコンF5を所有したときに即感じたことは、「何と電池食いなカメラなんだ!」と驚嘆した次第である。 そこで、当てはめたのが“車の燃費”と“電池の消耗”であった。
ニコンF3を主力で使っていた頃、F4が発売され、使ってみたところ、電池消耗の早さが幾分気になった。 逆に言えば、F3は、アルカリ単3電池8本を使用し、いい加減経って、前に換えたのが何時だったのか忘れるくらいの電池の持ちの良さであった。 F4は6本であったこともあってか、仕事を何本かこなして比較的早いサイクルで電池交換をした印象がある。 そしてF5が登場した。 F4の頃、キヤノンはEOSを主力に切り替え、従来のマニュアル機を全廃するという大胆な戦略が当たり、F4は苦戦をした。 F5は、そのような事情から従来のF一桁シリーズから大きな変貌を遂げたものであった。
鳴り物入りでデビューしただけあってその性能は、ライバルのEOS1nを遥かに凌ぎ、動作性能はまるで機関銃。その高性能さでありながら高い耐久度。 風貌からして“AF一眼最強”といっても差し支えないくらいであった。 F3の操作が体に染み付いた小生は、F5に慣れるのにかなりの苦労をしたが、F5の比較的静かなシャッター音は、F3から切り替える十分な理由であった。 |
ところがである。その高性能ならではか、アルカリ単38本使用で35mm36EXが20本も持たない。 冬の外では、フィルム7本くらいで電池交換。 F5購入後、1ヶ月で乾電池代が2万円くらい使った。ある日、電池を30本用意して長野県へ行ったが、山間部に入る前に、念のためコンビニで在庫分20本の単3を買っていったが、結局、全部使う羽目になった。
この頃、小生はまだAFを殆んど使っていなかったので「故障ではないか」と思い、ニコンへ問い合わせたところ、至るところから同様の問い合わせがあるようで、中にはフィルム5本で電池交換したというものもあったそうだ。 カタログデータは実測であることを説明するもののこの状態はニコンも認めているようで、対応策としてカメラ側にて電池交換警告を少し低いレベルにすることで多少は、長持ちとなったが、それでも車でいうならリッター2km、かつてスカイラインGTRの前身、プリンス2000GTBなんてのが、そんな感じだったと聴くが、これに比べればF3は、リッター60kmのスーパーカブである。
さすがに電池代が厳しく感じたことから、純正のニッカドバッテリーに切り替えることで「良し」とした。 しかし、出張となると予備バッテリー数本とチャージャーを持って行かなくてはならず、当時、30代も終りに近い小生には、これらの機材をバッグに入れて一日中、動くのが辛く感じるようになり、その後、登場したF100が思いの他、よく出来ていたので、初めて、主力をニコン一桁から下位機種に移行したのであった。 |
ニコンから総力を挙げてデジタル一眼D1が登場した。 270万画素は、印刷物ならB5くらいであろうか。 価格は60万円。 それ以前は1画素1万円とも言われたこともあり、D1は価格破壊を担った。 そして高画素機D1Xが登場した。スペックとして35mmフィルムをついに超えた。
価格は60万円。 スペック的には、現在のD40の4万円以下と同等くらいだから、技術はまさに日進月歩である。 しかし、当時D1Xの登場は、35mmフィルムカメラから時代が変わる決定打となった。 小生もこの時点で、全面的にデジタル移行をした。 デジタル関しては、別項目で述べるとするが、仰天したのが、電池消耗の激しさである。 この頃、小生はAFにすっかり馴染んでおり、まあ、カメラも電子機器となったので仕方ないともいえるが、半面、フィルムの巻上げや巻き戻しの電池消費は無いものと思うのだが…。
F5の時と違い、D1Xは、ニッカドバッテリーが標準である。 その時点でF5で悩んだ出張時の携帯品の多さは、諦めるしかなかろうと考えたものである。 しかしてF5のアルカリ単3に比べれば、良いには良いが、ニッカド同士となると、D1Xの方がF5より燃費が悪い。 実際のバッテリー容量がどの程度違っていたかは、定かではないが、見た目は同じくらいの大きさであり重さである。 |
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nikon D1X |
F5の時は、4本のバッテリーで1日持ったが、D1Xは4本でも途中で充電しておかないと足りなくなる。 結果、8本のバッテリーを携行していた。 これは、大型テンババッグの片側ポケットがいっぱいになる量で重さも半端ではない。 その後、D2Hを購入したことでD1Xは、高画素用としたことで、ひとまずバッテリーの悩みは解消された。
F5とD1Xは、恐ろしく燃費の悪いカメラであった。
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