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NikonF2 Photomic
資料Nikon |
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“最強”を証明するには、それなりの確証が必要であることは、重々承知だが、。個人でそれを立証するのは困難であることから、個人的な使用感として“最強”を語ってみたい。
小生が、16歳の頃、一生懸命お金をためて買ったのが「ニコンF2」この頃、F2は出たばかりで、価格面から、まだ販売されていた「ニコンF」にしたかったが、カメラ屋さんが「これからはF2」と言われ、無理して「F2フォトミック」を購入した。
しかし、一眼レフのイメージは頭にペンタプリズムがあるもので、FにせよF2にせよ何でペンタ部が複雑かつゴツイものがあるのか理解できなかった。そこで露出計内蔵の“フォトミック”となったのだが、各部が分離できるF2のこのペンタ部が定価で29,000円であったことは、下位機種のニコマートFTNが33,000円であったことを思うと、少年であった小生には恐ろしく高価に感じられたものだ。ただ、F2購入後、ニコマートFTNで十分であったことを知った。 |
この時点で発売から10年以上経ち、世界中で評価の実績を作ったニコンFは、文句なく最強のカメラであったと思う。しかし、改めて「最強」を考えるとそれは、「故障しない」が第一条件であろう。そうなるとニコンFはスタンダードが、露出計が無いアイレベルファインダーであったが、F2の時代になると、レンズを通過して明るさ(輝度)を測定する“TTL”が主流になる。したがってアイレベルファインダーは一般向きでなくなり、F2の場合露出計内蔵の“フォトミックファインダー”がスタンダードになった。
もっともFでもフォトミックファインダーは存在していたが、極端な頭でっかちになり、人気がなかったのと、まだまだ勘で露出を決められる達人が一般的だった時代である。したがってF時代は、露出計の故障はスタンダードのFには存在しないが、F2の場合、その対象となる機能が一般的となる。つまり、当時Fが丈夫であった理由には、シャッターと巻き上げという最小限の機能であったこともあげられる。 |
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Nikon F 資料Nikon |
とはいえ、Fの基本的な部分の耐久性は、かなりのものであった。フィルム時代は、カラー、モノクロ、それぞれフィルムを入れておきたい。
そうなると二台のカメラは必要だ。そんなわけで、写真学校時代にFを売ってもらった。これが、64とかいうaAかなりの年代物だ。使い勝手は、新しい分だけやはり、F2の方が使いやすい。しかし、シャッター音が結構大きい。
そうこうしながら小生もプロの道に〜。である日、F2で撮影をしていたらシャッター音が少し違うことに気付き、フィルムを抜き確認したところスローシャッターを切っても光が入らない。先幕と後幕が一緒に動いているようである。すぐに予備で持ってきたFに切り替え、事なきを得たがF2の初期型は、シャッターが弱いとよく言われたが、本当にそう感じた。FとF2での大きな違いは、シャッターの幕速にある。幕速というと、早いシャッター速度を連想しそうだが、この手のカメラは「フォーカルプレーン」という構造で、高速度はスリット幅を変えることで調整しているので実質、X接点と呼ばれる位置でのシャッター速度が速い方が、幕速が早い。但し、この時代、下位機種のニコマートは1/125cという数字で、F2の1/80を上回るが、これはシャッター走行方向が縦と横の違いで、35mmカメラは縦方向が、短いことから走行時間も短くなりX接点は早くなるものである。したがって長辺を走行する横走りは、同じ幕速でもX接点は遅くなる。この時代、耐久性を要求される上級機種は、鎧戸のような複雑な構造を持つ縦走りシャッターは採用されなかった。
話が反れたが、X接点1/60のFに対し1/80のF2はそれだけシャッターに負担が掛かっていたということになる。 |
Nikon F3 資料Nikon |
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時代はF3に入る。ニコンFの成功からか、F2は二世代目というほどの違いを感じなかったが、対するキヤノンは雪辱を晴らすかのごとくF1で巻き返してきた。偉大なFの功績があったので大逆転は免れたもののキヤノンF1の出来は見事であった。そのせいなのかニコンF3は、今までのニコンとは全く違うカメラとなって登場した。キヤノンはnewF1と銘打ってF3に対抗してきたが、newF1の方が、質実剛健のイメージで「ニコンよりニコンらしいカメラ」と評されたのも頷ける。F3はBMWなどで有名なジウジアーロがデザインを担当。この頃、コンタックスがポルシェデザインが担当して以来、キヤノンもコラーニを起用するなど、
カメラのデザインが大きく変わった時代である。で、F3を見る限り、さほど頑丈そうには見えないが、実際に使うとこれが、落としたり、ぶつけたり等の酷使環境でも故障がなかった。電子制御シャッターを嫌う人も多いが、実際には、電子制御の方が丈夫である。 |
また、電子化されたことによりモータードライブ(以下MD)の機能と価格が一気に向上した。MDに関していえば、キヤノンよりもニコンの方が一日の長がある。FとF2では、ホールド等の使い勝手は向上しているものの、基本的には機械式であることから、カメラのシャッター速度に合わせてMDの速度を調整する必要があったが、F3は、カメラの設定に自動的にMDが合わせるのでその点の煩わしたが解消された。また、価格面でもMDとバッテリーケースで12万ほどしたF2に対し、バッテリー一体型となり5万円。これは、同時期のキヤノンに比べても60%近く安く、性能は上である。この時代からMD装着が一般的となり、以降、MD一体型カメラが主流になっていった。
F3はシャッター耐久10万回となっているが、実際には30万を優に超える印象がある。プロとして10年以上使うことは、凄いことであるが小生の周辺でも30万回以上、使っているひとは多く存在する。
Fの時代から、精密かつ電子化され部品点数や機能が格段に増えながらもFより故障回数が少なかったF3は、小生の評価では「最強」のカメラとして称号を与えたい。キヤノンですか?そこまで使っていないから何ともいえない。しかし、フィルム時代で知る限りでは、周辺の話によればシャッター強度に関していえば、ニコンの方が倍は持ったようですね。
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