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樋泉克夫教授コラム
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~川柳~
《離不開 長此以往 没弁法》⇒《これやこの いつまで続く 腐れ縁》
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【知道中国 576回】 一一・五・念三
――Ours is a great socialist countryとは・・・負けマス
『英語基礎語法新編』(福建人民出版社 1973年)
この本の初版は1972年11月で、3版は73年6月。ということは、林彪事件が内外に明らかになり、四人組が力を持ちはじめ、批林批孔の烽火が挙がろうとしていた頃ということになる。だが、この英語テキストには林彪批判の欠片はみられない。英語による凄まじいばかりの毛沢東賛歌で貫かれている。なにはともあれ、頁を繰ってみよう。
先ず主語+動詞+目的語の基本文型を説明する例文は、 ■We loves Chairman
Mao=我われは毛主席を熱烈に慕う。 次いで主語+動詞+目的語+目的語の例文は、 ■We wish Chairman Mao a long,
long
life!=毛主席の生命よ、無窮であれかし。 語法とは文法のことであり、『英語基礎語法新編』と掲げているだけあって、この本は枝葉の部分を切り取って、簡にして要をえた文法解説と柱にして、読者に英語学習の道筋を示そうとしている。燃え上がった時代の趨勢といってしまえばそれまでだろうが、やはり例文は「毛主席」から離れられない。そこで、例文の数々を適当に拾っておくと、 ■Led
by Chairman Mao and the Party, we are marching from victory to
victory=毛主席と党の導きにより、我われは勝利から勝利に進む。
■Chairman Mao calls on us to write to win still greater victories=毛主席の呼び掛けに我らは団結し、さらなる勝利を勝ち取る。 ■That the U.S.
imperialists will be completely defeated in Vietnam is
certain=アメリカ帝国主義がヴェトナムで完膚なきまでに敗北することは疑いない。 ■How China has been able to
achieve so much in so short a time is something unthinkable the capitalist
world=中国がこのような短時日のうちにかくも偉大な成果を納めたことは、資本主義世界からいうなら想像だにできないことだ。 ■The atom bomb
is a paper tiger which the U.S .reactionaries use to scare
people=原子爆弾は、アメリカ帝国主義が人民を脅すために使う張子の虎に過ぎない。 ■We have another year of bumper
harvest, which is great victory of Chairman Mao’s revolutionary
line=我われはまた新しい豊作の年を迎えたが、これは毛主席の革命路線の偉大なる勝利だ。 ■We must do as Chairman Mao
teaches us=我われは毛主席の教えに従ってことをなさねばならない。 ■It is Chairman Mao who has brought us
happiness=毛主席が我らに幸福をもたらしてくれた。 こういった英語で表現された“毛主席賛歌”が次から次へと頁を埋めていて、些か辟易とするが、最後の最後の例文を挙げておきたい。 ■It
is only because of Chairman Mao’s revolutionary line that we have our Party, our
army and our socialist
motherland=まさに毛主席の革命路線によってこそ、はじめて我らは我が党、我が軍隊と我らが社会主義の祖国を持つことができるのだ。
――まあ、そんなワケでThe people want revolutionということでしょうか・・・。《QED》
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