征服の正当化「易姓革命」
支那大陸で王朝が変わることを「易姓革命」という。易姓革命は、「天命革まる」つまり、天の意思で王朝を変えることを指し、それが、皇位を自ら譲るか、武力で追放や滅亡という形で現れる。一般的な概念では、皇帝は血統の断絶で滅ぶが、易姓革命は「徳」の断絶である。「徳」を失い、皇帝の資格がなくなったというものだ。儒教の教えだが、宇宙の法則、大自然の理を説く佛教にも通ずるものがある。人類の歴史で生じる新陳代謝であろうこととして、如来(佛)の御意趣なのだろう、と思う半面、「易姓革命」の理屈は、征服者にとって、都合よく解釈されているように思う。文化や価値観の違う異民族による、覇権競い合いの結果を、共通の理由にできる、便利な表現だ。