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いきなりデジタルの話だが |
南京事件の写真を検証しながら時代の違うデジタルの話を持ち出すのは、変に思われるかもしれないが、
平成18年6月、カメラメーカーの『ニコン』から興味深いソフトが発表された。その名も「画像真正性検証
ソフトウェア」というもの。
これは、撮影後に加工や編集などの手が加えられていないかどうかを調べるソフトである。対象として公
的機関や保険、報道など真正性が問われる写真に威力を発揮するだろうが、現状、ニコンフラッグシップ機
「D2Xs」で撮影された写真のみでPCはwindowsのみであることから社会的認知度は今ひとつであるが、老
舗ニコンが、写真の「真正性」に着手したことは大きな異議がある。写真の信憑性が疑わしい事をカメラメ
ーカーが表明していることになる。
いずれ、何らかの証明に写真が使われる場合は、これらの検証を受ける事で「正当」と見なされる社会が
できるその前段階かもしれない。ただ、今まででも印刷物となって紹介された写真は、元のネガがあって
「正当」とする考えは必要だった筈だと小生は考えている。
このシステムで検証できるのは、画象を触ったかどうかの問題ゆえ、例えば、トーンで分かりにくいものを
コントラスト調整で分かりやすくしたものも「手を加えた写真」になる。白黒フィルム時代、印画紙でフィ
ルムのトーンを調整していたことから、この考えで行けば、偽装を目的としなかった場合でもすべての写真
が「手を加えた写真」になってしまうわけだ。
合成写真などは、このシステムですぐに検証できるが、厄介なのは「本当にその場初なのか」という検証は
出来ないであろう。元々、合成は、徹底的に調べれば、何らかの合致しない部分を見つけ出せる可能性がある
が、何も手を加えていない写真でただ、実際の場所と違うところを撮っておいて、あたかも「その場所、場面
である」という写真についてはこのシステムでは検証できない。いっそカメラにGPSに対応した機能を入れて
撮影した場所も記録できるようになると有難い。
そのソフトウェアを知りたい方はここをクリック