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 カメラとフラッシュの関係(続き)
 冒頭、NHKでは、古い建物の中や機織の場面などそこが持つ雰囲気を
いかに写真として切り取るか―であるのだが、現在のカメラは、良く出来
ていて暗ければ、勝手にフラッシュが発光する。しかし、カメラ内臓のフ
ラッシュは、懐中電灯で照らして観る光景と似たようなものであるから、
当然、仕上がりが見た目と違ってくる。眺めていたときの雰囲気は「こん
な風じゃなかった」となるわけだ。


 つまり、見ているとき光線状態とシャッターを切ったときの光線状態が
全く別物であることから、このような違いが出てくるわけである。

最近、メーカーもフィルムや撮像管の高感度化などで、そのようなフラッ
シュ一辺倒の仕上がりにならないよう、自然光と組み合わせて見た目に近
い仕上がりにする―というアルゴリズムをカメラに組み込み、製品化して
いる。


 先の証明写真も内臓フラッシュで撮影した記念写真も全て、非日常の光
線状態であることが、仕上がりへの不満に繋がる要因であるわけだ。


 フォトグラフィー=光画、つまり、同じ被写体でも光の有りようで印象
が、随分変わる例題として照明写真及びフラッシュを取り上げてみた。