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修正・合成写真(続き) |
合成写真の場合、その定義も幅があるようだ。2枚以上の画像を合わせ
1枚に仕上げれば、合成になる。
サイエンス雑誌などで取り上げられた「ノミ」などの小動物を撮影した写
真をA4いっぱいに掲載し、恰もSF映画に出てくる宇宙生物を彷彿させる写
真があった。
この写真は、ノミを正面から撮ったもので頭から正面から見える最後尾部
分までピントが、見事に合っている。
写真をかじった人なら分かるが、これだけのクローズアップで手前から後
ろまでピントを合わせるのは、不可能である。
そこでこの写真は、手前から後ろまで数ヶ所に分けてピントを合わせた写
真を1枚に合成して完成させたものだ。造りであっても、ピントが合わな
い写真よりこの方が、現物を理解しやすい。良心的な合成である。実は、
実物に近い写真にする場合、合成やスリットカメラなどを用いないと正し
く模写できないことが、意外に多い。例えば、晴れた日に部屋の中から見
えるの外の景色。その場にいて、部屋の雰囲気とそこから眺める景色は、
肉眼では認識できるが、写真で再現するのは、難しい条件である。
室内の明るさと外の明るさを1枚の写真に収められないからだ。そこで、
部屋の手前、窓の付近、外、といった具合でそれぞれに合った露出で撮影
した写真を合成することでその場の臨場感が伝わる写真になる。
車の真横の写真も実際には、一箇所から見たのでは、車の先端、最後尾は
真横にはならない。離れて見れば真横に近くなるが、それでも真横になら
ない箇所が残る。車に並行するように何箇所から撮ったものを合成して設
計図の真横に近い写真になるわけだ。
そこで改めて合成写真の定義を考えてみると物理的、または技術的に1
枚の写真では、正しく再現できないものを合成によってより正確な写真に
する行為は、合成であっても真実の追究であることから写真の「真」に反
するものではないと考えるべきであろう。
1枚の写真に他の要素の写真を加え元の写真と違う性質にする目的で作成
された写真こそ「合成写真」の定義にしたいと考えている。