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焼き込み・覆い焼き |
UFOの写真ばかり紹介した本があったが、その後NASAのコンピュー
タでそれらの写真が解析され、UFOが吊るされて撮られていることが
判明し「インチキ写真」のレッテルが貼られた、という話を聞いたこ
とがある。
それによると円盤(UFO)とその周辺の景色や距離情報などから解
析していったところ吊り下げるための糸の映像が、コンピュータによ
り映し出された、というもの。
距離情報や大きさの対比などによる解析から、という範囲なら何とな
く分かるが、糸が映し出された、となると私の写真分野を超えたもの
で「そんなことができるのか」というところで留めるしかない。
似たような話では、フィルムが捕らえる情報は、かなりあるがそれを
再現する感光材(おそらく印画紙を指していると思われる)の性能で
写っていても再現できない映像があり、コンピューターで解析するこ
とにより写っていないと思っていたものが再現できる、という文面を
見たことがある。
しかし、これは、さすがに懐疑的である。理由は、写真は粒子の集
積体であり、拡大していけば粒子は肉眼でも確認できる。粒子まで拡
大して確認できないものが再現されることが果たしてあるだろうか?
もっとも拡大し過ぎて全体が見えずに写っていることに気付かないと
いうことはある。
ただ、印画紙がフィルムの全てを再現できない、というのは間違い
ではない。UFOの話は、印刷物から始まり恐らく分析には、印画紙や
フィルムの提供を求めてのことと思われるが、暗室経験者なら誰もが
知る、印画紙に焼き付ける時に使われる「焼き込み」またその反対に
「覆い焼き」という技法がある。
「引き伸ばし」または「焼き付け」とは、現像処理したフィルムに光
をあてフィルムを通してできる陰影を印画紙に感光させ現像すること
で写真を紙などに再現することで、いわば二回目の撮影である。
この感光させることを露光というが、基本的には印画紙全体に同量の
露光をするわけであるが、そのまま現像したのでは、白くて出てこな
い部分や黒くつぶれてしまう部分が出てくる。→次ページへ続く