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 メキシコ視察ツアーリポート 
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【メキシコシティ歴史地区】
 一見、函館の「坂道」を連想させる風景ですが、実は所々が陥没して、道路も建物もそれに合わせるように従来、直線だったところが、曲線になっている状態、というから驚きます。
 建造物とそこに面する駐車場で1m近い落差がある箇所もありましたが、それも沈下によるものです。
 それでもメキシコ地震では、近代建築物が倒壊してもこれらの建物は無事であったということに、更に驚きます。

 ここ自体、前述した阿蘇のようなカルデラの内側に存在した湖面に浮かぶ「アステカ帝国」があった場所で、ここより1ブロック左側では、遺跡発掘(右写真)が行われています。その湖上都市国家がスペインに破壊され、干拓によってヨーロッパ調の建物が建設されたのがこの街並。
 元々湖だった軟弱な地盤によりこのような現象が随所で起き、排水等に支障をきたすことから、下水道等の新設は更に深く掘って対処しているとのこと。

 「地盤が軟らかいから工事が簡単」といいますが、うーんイタチゴッコのようにも思えないこともありません。
 地盤沈下著しいこの地域は、世界遺産に登録されていますが、この街を日本の土木技術ならどこまで修復できるのか興味深いところがあります。

<写真左> 建物の歪みを木枠と木製ドアで調整


 同地域にある教会。  <写真下。左の写真はその内部>
 沈下著しい箇所に隣接していますが幸い、この建物は被害が少ない。

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